こんにちは!IT解決コラム編集部です。
最近、「Wi-Fi 6のサポートが終わる」といった話題を目にした方も多いのではないでしょうか。こうした情報を見て、「Wi-Fi 6が使えなくなるの?」と不安に思った方もいるかもしれません。
しかし結論から言うと、終了対象となるのは、一部のWi-Fi 6ルーターのサポートであって、Wi-Fi 6という通信規格そのものが使えなくなるわけではありません。もし不安になられていた方は安心してください。
Wi-Fi 6は今も主流の通信規格として多くの機器で採用されており、当面は安心して使い続けられます。
この記事では、そんな「Wi-Fi 6サポート終了」の噂の背景と正しい情報をもとに、サポート期間の確認方法や買い替えの目安をわかりやすく解説します。
\ そのルーターも、そろそろ買い替えどきかも? /
Wi-Fi 5が寿命を迎え、Wi-Fi 6ルーターにも「サポート終了」の波が広がる

これまで「古いWi-Fiルーター」というと、Wi-Fi 5やそれより前の製品を指していました。
Wi-Fi 5が登場したのは2013〜2014年ごろ。そのため既に多くの製品がサポートを終了し、セキュリティ更新を受けられない状態になっています。
そして今、そうした「サポート終了」の波がWi-Fi 6ルーターにも少しずつ広がっています。
2020年前後に発売された初期のWi-Fi 6ルーターは、販売開始から4〜5年が経ち、メーカーによってはサポートを終了、もしくは終了予定となっている製品も出てきています。
具体例を挙げると、エレコムの「WRC-X3000GS」は2025年8月にサポート終了となり、バッファローの「WXR-5950AX12」も2026年1月にサポート終了が予定されています。
なぜ「Wi-Fi6がサポート終了」と言われているのか?誤解の原因

誤解が広がった背景には、2つの理由があると考えられます。
1. Wi-Fi 6対応ルーターの一部でサポート終了が発表されたから
まずは、先に述べた通り、Wi-Fi 6対応ルーターの中でも初期に発売された一部の機種でサポート終了が発表されたことがきっかけです。
実際には、2020年前後に発売されたWi-Fi 6ルーターのサポートが徐々に終わっていく、という内容なのですが、この情報が一部で「Wi-Fi 6そのもののサポートが終わる」と誤って伝わってしまったようです。
繰り返しになりますが、サポートが終わるのはあくまで初期に発売された一部のWi-Fi 6ルーターです。
Wi-Fi 6という規格そのものが使えなくなるわけではないので、その点は心配しなくて大丈夫です。Wi-Fi 6は今も主流の規格として多くの機器で使われており、今後もしばらくは安心して利用できます。
2. 次世代規格であるWi-Fi 7が既に登場しているから
もう一つの理由は、次世代規格であるWi-Fi 7の登場です。
2024年以降、ASUSやバッファロー、NETGEARなどのメーカーからWi-Fi 7対応ルーターが発売され、市場に出回り始めています。
こうしたニュースを見て、「新しい規格が出た=古い規格はもう使えなくなる」と感じる人もいるかもしれませんが、Wi-Fi 7には下位互換性があるため、Wi-Fi6対応機器でもWi-Fi 7対応ルーターに接続して使うことができます。
また、Wi-Fi 7対応の機器は依然として高価なため、導入を見送る企業も少なくありません。Wi-Fi 7が広く使われるまでにはもう少し時間がかかると考えられています。
Wi-Fiルーターのサポート期間とは?

Wi-Fiルーターのサポート期間とは、メーカーがその製品に対して行う「ファームウェアの更新」や「修理対応」、「問い合わせ受付」などを保証してくれる期間のことです。
販売が終わってしばらく経つと、脆弱性の修正や修理に必要な部品の確保が難しくなるため、古い製品のサポートは順番に終了していくのが一般的な流れです。
サポート期間は、言い換えれば「そのルーターを安心して使える期限」と考えると分かりやすいでしょう。
サポート期間の目安は、これまで「販売終了から5年間」だったが…
Wi-Fiルーターのサポート期間は、一般的に「販売終了から約5年」というのが目安として考えられています。
明確な決まりはありませんが、メーカーのサポート終了が販売終了からおおむね5年後に設定されることが多いため、業界の共通認識として定着してきていました。
ただし、最近ではこの基準にも変化の兆しが見え始めています。
サポート期間が「5年→3年」に短縮される動きも
2025年7月に、NECはAtermシリーズのサポート方針を見直しました。
これまで「販売終了から約5年間」とされていたサポート期間を「販売終了から約3年間」へ短縮すると正式に発表しています(2025年12月1日以降より適用)。
NECはこの変更の理由について、「セキュリティに対する新たな脅威の増加を踏まえ、 安心・安全かつ無線技術の急速な進化に即した製品へ注力するため」と説明しています。

現時点では、他メーカーが同様の変更を発表しているわけではありません。
それでも、業界大手であるNECがこのような方針を打ち出したことで、今後はこれまでよりも短いライフサイクル※が主流になっていくかもしれません。
※ライフサイクルとは、ビジネスの分野では製品やサービスが発売されてから使われなくなるまでの一連の流れのことを指します。
自社のWi-Fiルーターのサポート期限を確認する方法

Wi-Fiルーターのサポート期間はメーカーごとに異なりますが、多くのメーカーでは公式サイトにサポート期限を確認できるページが用意されています。
まずは、自社で使用しているルーターのメーカーを確認し、下記のリンクからサポートページをチェックしてみましょう。
| メーカー名 | ページリンク |
|---|---|
| NECプラットフォームズ(Atermシリーズ) | Atermのサポート期間について |
| バッファロー(BUFFALO) | 商品サポート状況一覧 |
| エレコム(ELECOM) | ネットワーク製品・NAS製品のサポート期間について |
| アイ・オー・データ機器 | 修理・サポート終了品検索 ※型番で検索 |
| TP-Link | Warranty & RMA Policy ※「EOL(廃盤製品)製品につきましてはこちらをご確認ください」の部分を展開 |

情報が見つからない場合は、「メーカー名」と「型番」を検索してみてください。メーカー公式サイトの製品ページで、サポート期限や最新のファームウェア情報を確認できることがあります。
サポート終了後のWi-Fiルーターを放置するリスク

サポートが終わったWi-Fiルーターを使い続けることには、大きなリスクがあります。いちばんの問題は「セキュリティ更新」が止まってしまうことです。
メーカーはサポート期間中、ウイルスや不正アクセスなどの新しい脅威に対応するため、「ファームウェア」と呼ばれる内部ソフトウェアを定期的にアップデートしています。
しかし、サポートが終了すると更新が行われなくなり、新しく見つかった脆弱性に対応できなくなります。
時間が経つほど、外部からの攻撃リスクは高まります。
「サポートが終わった瞬間、即危険」というわけではありませんが、見た目は問題なく動いていても、内部のセキュリティは確実に弱くなっていき、守りの薄い状態で使い続けることになります。

たとえWi-Fi 6ルーターであっても、メーカーのサポートが終了している場合は買い替えをおすすめします。通信規格としてはまだ使えますが、セキュリティ更新が止まると安心して使い続けることは難しいです。
古いルーターは「乗っ取り」の危険も
古いWi-Fiルーターを使い続けると、悪意のある第三者に乗っ取られる危険性があります。
最近では、ソフトウェアの脆弱性を悪用してネットワークに侵入し、個人情報や会社の機密データを盗み出す事件が増えています。
一度ルーターが乗っ取られてしまうと、攻撃者が外部から遠隔操作できる状態になってしまいます。
知らないうちに巨大な攻撃用ネットワーク「ボットネット※」の一部として利用され、交通や金融などの重要なシステムや大企業へのサイバー攻撃に強制的に加担させられる危険もあります。

怖いのは、乗っ取られても普段は普通に動いて見えることです。指令を受け取ったときだけ不正な通信を行うため、なかなか気づけません。自社のルーターが犯罪に使われることもあるため、古いルーターは放置せず確認・対策しましょう。
※ボットネットとは、ウイルスなどに感染して外部から操作できるようになった多数の機器(パソコンやスマートフォンなど)で構成されたネットワークのことです。攻撃者はこのネットワークを使って、ほかのサーバーや企業に一斉攻撃を行ったり、不正なデータ通信を送りつけたりなど、さまざまなサイバー攻撃を行います。
まとめ:購入から3年以上経ったWi-Fiルーターは見直しましょう!
もし、サポートが終了したルーターを使っているなら、できるだけ早くWi-Fi 6/6EやWi-Fi 7に対応した新しいモデルへ買い替えることをおすすめします。
「調子が悪くなったから買い替える」という対応ではなく、あらかじめ寿命を見越した定期的な見直しが大切です。
目安としては、購入から3年が経ったタイミングで一度サポート状況を確認しましょう。
製品によっては3年で既に販売が終了しており、サポート期間の残りが短くなっている可能性もあります。期限が公表されている場合は、その期間内に買い替えを検討しておくと安心です。
メーカーは、製品のライフサイクルを前提に開発やサポート体制を整えています。
そのため、ユーザーである私たちもライフサイクルを意識し、定期的に更新していく姿勢が求められます。
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