こんにちは!IT解決コラム編集部です。
新年度になり、人員増加や組織再編によるオフィスの移転・レイアウト変更が活発に行われる季節となりました。
新たなオフィスレイアウトへ移行する際に「ネットワークの仕様を見直して再構築をすることになったけどどうすればいいか分からない…」と不安を抱える情報システム部門担当者の方もおられるのではないでしょうか?
今回は、オフィスの移転・レイアウト変更時のネットワーク構築の流れやポイントについて解説していきます。
この記事の要点
●オフィス移転・ネットワーク移設の第一歩は現状分析から
●整理した課題をもとに最適なネットワーク設計を行う
●混乱を招かないようにスケジュール策定とバックアップを確実にする
●移設後はマニュアルを作って次回に備える
STEP1. ネットワーク構成・設定を確認する
まずは、現状のネットワークの構成や設定を確認することが重要です。
その際に、現在のネットワークが抱えている問題点の洗い出しや、今後必要となるネットワークの仕様を明確にしていきます。具体的には次の内容について確認してみましょう。
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ネットワーク内に存在するハードウェアの把握
ネットワークに接続しているネットワーク機器やPC周辺機器(例えばルーター、スイッチ、アクセスポイント、サーバー、ファイアウォール、複合機など)の情報を整理し、どこに何が接続されているのかを洗い出しましょう。
オフィス移転が急遽決まっても慌てないように、日ごろからネットワーク構成図を作成し定期更新しておくことが望ましいです。そうすることで、突発的なトラブルや出来事が発生しても安心して対応することができるのでおすすめです。
ネットワーク構成図の作成方法については以前こちらの記事で紹介したので、ぜひご参照ください。
ネットワーク環境の把握
現在のネットワークの回線速度(スループット)やトラフィック量を計測し、現状のオフィスのネットワーク利用ニーズを把握するほか、パケットロスによる通信遅延が発生していないかなどのネットワークの課題点を整理しましょう。
回線速度やトラフィック量の測定方法については、以前こちらの記事で紹介したので、ぜひご参照ください。
セキュリティ環境の把握
技術的対策・物理的対策・人的対策の3つのセキュリティ対策の観点から、現状の運用状況や課題点について整理しましょう。
- 技術的対策:ウイルス対策ソフト、ファイアウォールなど
- 物理的対策:監視カメラ、セキュリティカード、予備電源等の防災装置など
- 人的対策:運用マニュアルなど
その他ネットワーク構築にあたっての注意点などはこちらで詳細を解説していますので、ぜひご参照ください。
STEP2. 移設後のネットワークを設計する
現状のネットワーク状況についての調査が完了したのち、移設後のネットワーク設計をしていきます。
この際、会社の拠点数、オフィスのレイアウトや利用人数・利用形態、必要なトラフィック量やセキュリティレベルに応じて、各選択肢のメリット・デメリットを適切に考慮しつつ組み合わせていくことが重要になります。
具体的には、下記の内容を想定することが望ましいでしょう。
テレワークの実施度合いを考慮する
2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類へ移行されることとなり、世の企業ではオフィス内の感染対策が緩和されつつあります。
コロナ禍以前と同じような出社を前提とした働き方に移行する企業では、出社人数の増加に応じてネットワーク規模を拡大するか、今後柔軟にレイアウト変更できるように有線ケーブルを極力使わず無線LANをベースにフリーデスク制へ移行するなどの選択があるかと思います。
一方で、今後も継続的にテレワークを前提とした働き方を行う企業や、オフィスレイアウトを柔軟に変更したい企業では、社員パソコンのVPN環境の運用を継続的に注力するほか、本社オフィスのネットワーク運用コストを最適化しつつ、大人数の社員が集合してもトラフィック上問題ないようネットワーク設計をすることが必要になります。
以前、フリーデスク制にする際のWi-Fi環境構築のポイントについて解説したので、こちらもご参照ください。
必要なセキュリティレベルを考慮する
企業内の情報をネットワークに保存するケースがますます増えるなか、セキュリティレベルが十分でない中小企業を狙ったサイバー攻撃が増えており、中小企業にとってセキュリティ対策レベルの強化が待ったなしの課題となっています。
しかし、専門知識を持った人材リソースやセキュリティ対策に割ける予算が少ない状況で、どのような対策が最適なのか分からないという方もおられるのではないでしょうか。
そんな企業様には「UTM(統合脅威管理)」というセキュリティ機器がおすすめです。
UTMは様々なセキュリティ機能を1つの機器にまとめたもので、個別の専門機器に比べて詳細な機能カスタマイズはできないものの、非常にラクな設定・管理運用で十分なセキュリティレベルを確保することができる優れものです。
中小企業を狙ったサイバー攻撃の詳細については、下記のページでも紹介しておりますのでご参照ください。
電話回線を考慮する
オフィス移転・レイアウト変更の際には、インターネット回線もさることながら、電話回線・ビジネスフォンの主装置の位置も、業務効率を決定づける大きな要素となります。
テレワークを前提としたオフィスや、機動的にレイアウトを変更するオフィスでは、会社宛ての電話を外出先・自宅でもスマホで受電できる「クラウドPBX」を採用するケースが増えています。
クラウドPBXとは?
クラウドPBXとは、従来オフィスに設置されていた電話回線・ビジネスフォンの主装置をクラウド化するもので、個人のスマホがあればインターネット経由で場所を選ばず会社の電話番号で通話できるサービスです。
クラウドPBXを導入すると、電話回線や主装置の設置が不要になり、どこでも対応できるため、テレワークや外出の多い働き方を採用する企業や、オフィスレイアウトを頻繁に変更する企業では特におすすめです。
また、一部のサービスでは通話録音機能や自動文字起こし機能、チャットツールとの連携機能のあるものまであり、使い方によっては業務効率を飛躍的に向上させることができます。
クラウドPBXの詳細についてはこちらでも解説しましたので、ぜひご参照ください。
STEP3. タスクの洗い出しとプランニング
まずは、ネットワークやサーバーの移設作業の前に、工程の抜け漏れで混乱を招かないようにWBS(Work Breakdown Structure)を作成し、関連部署・作業内容の洗い出しとスケジュールを組み立てていきましょう。
上述の流れで検討したオフィスレイアウトをもとに、回線業者や引越し業者へ見積を依頼してみると、余裕を持ったつもりでも案外タイトなスケジュールになるケースもよくあります。
一度、業者や関連部署と連携しつつ、必要事項を洗い出してみましょう。
STEP4. オフィス移転・ネットワーク移設
上述の流れで業者・タスク・スケジュールが定まれば、オフィス移転・ネットワーク移設を実施しましょう。
この際、サーバーも移設する場合は災害・持ち運びミスや想定外の事態でデータが消失する恐れがあるため必ずデータのバックアップを取るようにしましょう。
バックアップをとる方法については、こちらの記事でもご紹介しましたのでぜひご参照ください。
STEP5. PCなどの再設定準備やマニュアル作成
オフィス移転・ネットワーク移設後、ネットワーク機器・パソコン・周辺機器の設定内容や構成図を記録しマニュアル化しておくと、次回の移設作業がスムーズになります。
また、今回の移設でトラブルが発生した場合はその内容と解決方法、そして一連の手順について、他の担当者でもスムーズに作業できるようにノウハウを蓄積していきましょう。
パソコンのトラブル対応の負担を減らすには
今回はWindowsパソコンにおけるバックアップの方法についてご紹介しましたが、パソコントラブルの対応は専門的な知識が必要になるほか、大事な時にパソコンが思い通りに動かないと、最悪の場合業務の停滞やビジネスチャンスの損失につながるなど、負担の大きい業務となっています。
もし周囲にパソコンに詳しい人がいない場合は、弊社のヘルプデスク代行サービス「biz-usクラウド」のご利用をおすすめします。
biz-usクラウドとは?
「biz-usクラウド」は、ネットワーク上の機器の状況を常時管理し、セキュリティ上の問題点を検知・通知しトラブルを未然に防止するほか、トラブルが発生した際も、専門スタッフがスピーディに解決するサービスです。
基本料金2,000円~/月、1端末あたり+500円/月というリーズナブルな価格帯で、ヘルプデスク代行だけでなく、IT資産管理やセキュリティ対策も可能なので、非常に高いコストパフォーマンスを実現します。
もし、ヘルプデスクやセキュリティ面で課題を抱えておられる企業様は、ぜひチェックしてみてください!
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