中小企業のセキュリティ対策にはUTMがおすすめ!特徴や選び方について解説!

中小企業のセキュリティ対策にはUTMがおすすめ!特徴・選び方について解説!セキュリティ
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こんにちは!IT解決コラム編集部です。

近年、中小企業を狙ったサイバー攻撃が多発しており、ランサムウェア攻撃の被害額は過半数が1,000万円以上という調査も公表されています。(※)

一度被害に合うと多額の金銭のほか、これまで積み重ねてきた取引先からの信用も損なってしまうという意味で、中小企業にとって非常に大きな脅威となっています。

しかし「セキュリティ対策をしたいけれど専門人材がいないしコストが高い…」という問題のためにセキュリティ対策へ十分な投資ができていない企業も多いのではないでしょうか。

そのような企業様には、たった1台だけで中小企業に十分なセキュリティ対策がまるっとできてしまう「UTM」というセキュリティ対策ツールをおすすめします。

今回は、UTMとは何か?その特徴や選び方について解説をしていきます。

(※) 警察庁「令和4年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」

この記事の要点
●UTM(統合脅威管理)とは、様々な機能を1つにまとめたセキュリティ機器
●1つの機器の設定で済むため導入・運用がカンタンで中小企業で人気が高い
●Neusoft「NISG6000Std」はコストパフォーマンスに優れておりおすすめ

UTM(統合脅威管理)とは?

UTM(統合脅威管理)とは?

UTMは多くのセキュリティ機能を1つにまとめたセキュリティ対策ツール

UTMとは「統合脅威管理(Unified Threat Management)」の略称で、複数の異なるセキュリティ機能を1つに統合してネットワーク全体を管理するツールのことを指します。

近年、業務効率を向上させるための文書のデジタル化の取り組みが増えており、各企業のインターネット依存度がますます大きくなっています。

それに伴って、ネットワークの脆弱性を狙ったサイバー攻撃が多発し、大企業だけでなく中小企業も大きな被害を受けており、企業規模によらず情報セキュリティ対策は急務となっています。

UTMはとにかく簡単に導入が可能!

脅威への対応方法として、一般的にはファイアウォール、IDS・IPS、WAFなどのセキュリティ対策ツールが必要となりますが、こうした複数のツールを選定・導入・管理するのは「専門的な知識や多くの労力・コストが必要になり、リソースに限りがある企業では運用が難しい」という声がありました。

これらを解決すべく、セキュリティ対策に必要な機能を統合し、導入・運用を簡略化するツールとして開発されたのが「UTM」です。

1つのツールだけで複合的なセキュリティ対策をすることができるため、特に情報システム部門担当者が不足している中小企業様にとって最適なコストパフォーマンスを実現します。

UTMの主な機能

UTMの主な機能

一般的に、UTMの主な機能として次のようなものが挙げられます。

ファイアウォール機能

特定のIPアドレスをもつ発信先との通信を遮断し、ネットワーク内部の情報が外部に流出することを防止します。また、ネットワーク内部のIPアドレスを外部から知られないように変換するほか、アクセスログを記録する機能などがあります。

IDS・IPS機能

IDS(Intrusion Detection System)は「不正侵入検知システム」とも呼ばれ、ネットワーク上の通信を監視して、不正なアクセスやその兆候を検知し、管理者等に通知する機能を指します。

IPS(Intrusion Prevention System)は「不正侵入防止システム」とも呼ばれ、不正なアクセスの通信を遮断し防御する機能を指します。

ファイアウォールは特定のIPアドレスとの通信を遮断しますが、その対象外のIPアドレスからの不正アクセスは防ぐことができません。

それに対して、IDS・IPSは、アクセスのパターンを判別することで正常・異常を見分けることで、ファイアウォールで防げない攻撃を防ぐことができます。

WEBフィルタリング機能

WEBフィルタリングは、インターネットを利用する際に、不必要な情報の閲覧や発信を防ぐ機能を指します。

主には、不正に情報を取得する・ウイルスを持ったアプリをダウンロードさせるなどの悪意のあるサイトにアクセスできないようにブラウザの閲覧を制限したり、メール等による社外への情報漏洩を防ぐほか、WEBサイトへのアクセスログを記録し、業務に関係のないアクセスを検出することができます。

アンチウイルス機能

アンチウイルスは、コンピュータに侵入したウイルスやマルウェアを検知し除去する機能のことを指します。

主には、コンピュータ内のプログラムを自動アップデートすることで常に最新で安全な状態に保つ機能や、コンピューター内で不審な挙動をするプログラムを検出し除去するなどの機能により、コンピューターから情報漏洩が発生するのを未然に防ぐことができます。

アンチスパム機能

アンチスパムは、受信者の意向を無視して無差別・大量に一括送信される迷惑メールを検知する機能のことを指します。

これによって、ワンクリック詐欺や不正なサイトへ誘導するフィッシングメールなどを開封させないようにすることができます。

UTMのメリット

UTMのメリット

上記のような機能を持つUTMですが、次のようなメリットを挙げることができます。

管理・運用コストを削減できる

中小企業にとって十分なセキュリティ対策を1台で完結することができるため、セキュリティ対策にかける管理・運用工数を大幅に軽減することができ、専門知識をもつスタッフが不足している企業でも運用することができます。

導入がカンタン

UTMはルーター直下に機器を設置することで運用を開始できるため、複数のセキュリティ対策ツールを導入するよりも簡単かつスピーディにセキュリティ対策を行うことができます。

長時間のネットワーク遮断が不要で、従業員の業務が中断されることが少ないので、大きなメリットとして挙げられます。

トラブル時の対応が簡単

複数のセキュリティ対策ツールを運用している場合はトラブル発生時にネットワークの障害部分を特定するのに時間がかかるのが一般的です。

UTMは障害原因の特定が容易であるうえベンダーも1社のみで迅速にサポート対応してくれるため、機器が故障してもすぐに交換・設置することができ、セキュリティの隙を最小限に抑えることができます。

UTMのデメリット

UTMのデメリット

一方で、UTMは次のようなデメリットもあるので、注意しておきましょう。

セキュリティ機能をカスタマイズできない

UTMは、前述したように、複数のセキュリティ機能を一つにまとめたものです。

そのため、個別機能をカスタマイズすることが難しく、特定の機能のみ強化したり、他ベンダーの欲しい機能と組み合わせることが難しいというデメリットがあります。

そのため、自社の求める機能要件を満たすベンダーをしっかりと見極めることが重要になります。

故障時にインターネットが遮断される可能性

UTMはルーター直下に設置する機器であるため、UTMが故障するとインターネットが使えなくなる可能性があります。

そのため、万が一の故障時にもインターネット通信を問題なく使えるバイパス機能のあるUTMを選ぶことが重要となります。

UTMのおすすめの選び方

ここまでUTMの特徴やメリット・デメリットについて解説してきましたが、いざUTMを検討することになった場合「どのように選べばよいか分からない…」という方も多いのではないでしょうか。

そこで本章では、失敗しないUTMの選び方についてご紹介します。

自社の要件に合った機能

前述したように、UTMには多くのセキュリティ対策機能が統合されていますが、ベンダーによって強みとする機能が異なるほか、場合によっては自社に不要な機能もついている場合があるため、自社がどのような機能を重視するかを決めておくことが重要となります。

想定接続台数に合わせた処理性能

UTMは、処理性能に応じてネットワークに接続できる端末台数の上限が定められており、その上限値を超えると機器に大きな負荷がかかり通信速度が遅くなる場合があります。

そのため、ネットワーク上で接続する端末台数に対して余裕を持たせた上限値の機器を選ぶことが重要となります。

万全のサポート体制

UTMは、機器の故障やその他トラブル時にセキュリティ面で大きな影響が出るため、早急にトラブル対応が可能なベンダーを選ぶことが重要となります。

中小企業におすすめのUTM4選

中小企業のセキュリティ対策として高いコストパフォーマンスを発揮するUTMについてご紹介します。

Neusoft「NISG6000Std」【おすすめ】

Neusoft「NISG6000Std」
出典:Neusoft NISG6000Std商品紹介サイト

中国に本拠地を置く大手ソフトウェア開発会社のNeusoft社が提供するUTMです。
日本ではあまり知られていないベンダーですが、小規模オフィスに最適な機能と高い性能を誇り、なおかつ低価格なのが特徴です。

  • シェアが低いメーカーのため、高機能ながら低価格で導入可能
  • 小規模オフィス向けでは処理速度が非常に高速(ファイアウォールスループット2.7Gbps)
  • VPN機能のほか、10台まで接続可能なWi-Fi機能もあり、小規模オフィスに必要な機能を幅広く搭載
  • 機能:ファイアウォール、アンチウイルス、アンチスパム、URLフィルタリング、VPN、アプリケーション制御、DNS保護、プロトコル異常検査、Dos/DDos攻撃からの防御、サーバ情報保護

Fortinet「FortiGate-50E」

Fortinet「FortiGate-50E」

Fortinet社は世界で46.5万社の導入実績のある世界シェア1位のUTMベンダーです。
セキュリティ機能を全て自社にて開発しており、安全性・信頼性に優れているのが特徴です。

  • 世界6か所にあるセキュリティ研究センターにて24時間365日体制で脅威情報を監視し、最新のウイルス対策を高頻度で更新
  • ネットワーク状況を一目で把握できる分かりやすい管理画面
  • 機能:ファイアウォール、IPsec、IPS、アンチウイルス、SSL-VPN

Cisco「Meraki MXシリーズ」

Cisco「Meraki MXシリーズ」
出典:Meraki商品紹介サイト

Cisco社は世界最大のネットワーク機器開発会社で、「Meraki」というブランド名でクラウド環境でのネットワーク・セキュリティサービスを展開しており、その中でMXシリーズというセキュリティアプライアンスを提供しています。

  • クラウド環境のため遠隔で複数拠点のネットワーク管理が可能
  • 利用アプリケーションごとの通信制御が可能
  • 機能:ファイアウォール、コンテンツフィルタリング、WEBサーチフィルタリング、IDS/IPS、アンチウイルス、IPsec

ヤマハ「UTX100」

出典:UTX100商品紹介サイト

ネットワーク機器業界で高い信頼性を誇るヤマハ社の小規模オフィス向けのUTMです。主な特徴としては次のような点が挙げられます。

  • ヤマハルーターと連携して一元管理可能
  • メーカー専用窓口によるサポート
  • 機能:ファイアウォール、アプリケーションコントロール、URLフィルタリング、侵入防止(IPS)、アンチウイルス、アンチボット、アンチスパム

よく分からないときはプロにご相談を

今回、UTMについてご紹介しましたが、いざ導入しようと思っても、「難しい説明ばかりでよく分からない!」という方も多いかと思います。

サイバー攻撃は、ほんのわずかな隙を狙って行われます。もし少しでも知識面で不安がある場合は、一度プロの業者へご相談することをおすすめします。

MJEは、これまで約1万6,000社の店舗・オフィスのインフラ改善に携わってきた実績があります。

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